倹約せよ

② 倹約せよ。戦略的に経費を下げよ。低コストは、弱者必須の生存戦略。

倹約せよ。戦略的に経費を下げよ。

「倹約、勤勉、正直、堪忍」この4つの教えは、

今から290年前、江戸時代中期に商人道を説いた
石田梅岩の「石門心学」の教えから拝借しています。

「商人道」とは、
商人としての正しい生き方、
商人としての正しい商売の在り方を説いたもの。

日本は「長寿企業大国」と言われています。

創業100年を越える企業は、33000社。
創業200年を越える企業は、4000社。

創業200年を越える企業数は、
2位のドイツで1850社ですから、
日本が「長寿企業大国」であることがわかります。

このような長寿企業が学んできた経営こそ

「石門心学」

であると、私は確信しています。

ランチェスター経営の竹田陽一先生曰く
「経営は、論理学と人間学でできている」

論理学は44%
人間学は56%

論理学は、経営戦略ですから、
「弱者の戦略」を選べばよいのですが、

「人間学に何を選ぶべきか」と問われましたら、
私は「石門心学」をお薦めます。

石門心学は、人間学でありながら、
同時に(戦略とは別の意味で)経営学でもあるからです。

石門心学が、長寿企業を育んできたとすれば、
石門心学の中に「倒産しない経営」の答えが存在している。

その石門心学では、
「倹約こそ、人として正しい生き方をするための基本」と説きます。

また「倹約」とは、
単なる節約や吝嗇(けち)とは、異なると主張します。

節約や吝嗇は、自分のために行うもの。

これに対して石門心学の説く「倹約」とは

「他人のため」に使うことを目的とし、
「自分のため」の出費を抑えることです。

自らの私欲を抑え、
他人のため、社会のために、資金を蓄える。

石門心学では、これが「人として正しい生き方」であり、
商人の道であると説いているのです。

これは、大切な経営資源である資金と経費を
どこに配分するかという点で「弱者の財務戦略」に通じます。

自社の設備は小さく抑えながら、
お客との接点には、十分に費用をかける。

「戦略的に経費を下げよ」とは、このような意味を含んでいます。

低コストは、弱者必須の生存戦略。

動物の世界で言えば、
ライオンは強者、ネズミは弱者です。

ライオンは、ネズミより遥かに大きく強い。
直接戦えば、ネズミが勝てるはずはないのです。

しかし、現実の自然界は「直接戦う」ばかりではありません。
自然界には「間接的な戦い」が存在するのです。

それは「自分に必要な食料を確保できるか」どうか。

ビジネスも同じ。
自社と競合は直接戦う「直接戦」ではありません。
顧客のお金という食料を確保しあう「間接戦」になるのです。

この「食物を確保」において、
実は「小さい」ことは有利なのです。

大きな身体のライオンは、大量の食料が必要ですが、
小さな身体のネズミは、少量の食料でも生きてゆける。

大きな会社は、大量の利益が必要ですが、
小さな会社は、少量の利益でも生きてゆけるのです。

小さな会社は、低コストで生き残れる。
だからこそ「弱者必須の生存戦略」と表現しています。

問題は「倹約」です。

小さな会社は、
より、小さな利益で生き残れること。
より、小さな経費に抑えられること。

如何に、倹約するかが「生存」の鍵となります。
倹約を心がければ、借金も最低額で済むはずです。

如何に倹約、低コストを実践するか、
これを学ぶ場が【不倒会】です。