⑤ 堪忍せよ。怒り、憎しみ、恨み、貪欲(過剰な私欲)が、人と企業を滅ぼす。
仏教で三毒と言われるものがあります。
三毒とは「人間の諸悪・苦しみの根源」とされているものです。
それは「貪瞋痴」の3つ。
「とんしんち」と読みます。
貪とは、貪欲(とんよく)のことで、通常「どんよく」と読みますね。
これは必要以上にむさぼる心のことです。
瞋は、瞋恚(しんに)とも言われます。
怒り、憎しみ、恨みの心のことです。
痴は、愚痴(ぐち)とも言われます。
俗にいう「グチをこぼすこと」ではありません。
愚も痴も「おろか」という意味であり、
真理を知らない、無知の状態を「愚痴」と言います。
仏教の真理を理解しない私たちが、
愚痴であることは致し方ないとしても、
貪欲は「倹約」することにより、
瞋恚は「堪忍」することにより、
これを抑えることができるのではないでしょうか。
「堪忍」とは、こらえてしのぶこと。
怒りをしのんでとがめだてしないこと。
他人の過失を怒らずがまんすること。
ビジネスを真剣に行っているからこそ、
時に怒りを生じることもあるはずです。
しかし、怒りや憎しみは、
会社を倒産の危機に陥らせ、
人生を狂わせる「三毒」であるゆえに、
こらえてしのぶこと「堪忍」は
経営者として、人間として大切なものではないでしょうか。